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【読書記録】青山美智子「赤と青とエスキース」〜概要・あらすじ・感想

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【読書記録】青山美智子「赤と青とエスキース」〜概要・あらすじ・感想

赤と青とエスキース
「赤と青とエスキース」

青山美智子「赤と青とエスキース」概要・あらすじ

タイトル赤と青とエスキース
作者青山美智子
出版社PHP研究所
表紙写真加藤新作
装丁岡本歌織(next door design)
絵(カバー表1)U-ku
絵(カバー表4)山口大介
額縁製作・装丁Marukatu-Art-Studio
ページ数全239ページ(単行本)
ジャンル連作短編/恋愛
青山美智子「赤と青とエスキース」

「エスキース」とは絵画における「下絵」のこと。

1枚の「エスキース」は旅をする。

いろんなところで、いろんな人たちを見る。

いろんな人たちの物語に出会う。

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1章 金魚とカワセミ

オーストラリア・メルボルンに留学に来ている「レイ」

留学先で出会った「ブー」とは別れの時間が近づいている。

そんな時、ブーから友人ジャック・ジャクソンの絵のモデルになってくれと頼まれる。

「エスキース」でいいから、と。

絵を挟んで向かい合う二人の恋人の物語

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2章 東京タワーとアーツ・センター

額縁を作る職場で働く空知。

彼は数年前、メルボルンの画材屋でジャックジャクソンという画家と出会っていた。

彼の絵「エスキース」の額縁を作ると決めた空知。

額縁とは。

絵とは。

トマトジュースとバタフライビー

漫画家であるタカシマ剣は、ある喫茶店で雑誌の取材を受けることになった。

それは自分より売れてしまった後輩との対談だった。

羨ましい、妬ましいという気持ちを否めないタカシマの

胸中を綴った一遍。

赤鬼と青鬼

50を迎える茜は雑貨輸入の会社で忙しく働いている。

ずっと付き合っていた恋人とは1年前に別れた。

彼がいなくても、自分は溌剌と人生を生きているつもりだった。

が、あることをきっかけに輝いていたはずの自分の人生に

疑問が生じる。

エピローグ

画家・ジャックジャクソンの元に1枚の絵画が舞い戻る。

その絵の前に佇む画家。

その絵が辿ってきた、観てきた風景に想いを馳せる。

青山美智子「赤と青とエスキース」〜おしゃれな恋愛短編小説に想いを馳せて

連作短編が好きだ。

短編集とは異なり、一つ一つ独立しながら

実は繋がっている短編集。

テーマで繋がっていたり、前に出てきた主人公が今度は脇役で

出てきたり…人生にはいろんな人とすれ違うようにして関わって、

少ないながらも影響を与え合い、それぞれの人生があって、

その瞬間すれ違ったあの人にもいろんな人生があって、

みんながみんな、それぞれの人生の主役なのだ、と

感じることができるからだ。

オムニバス形式のドラマも同じ理由で好きなのだが、

小説はドラマと違って顔が見えないところ。

仕掛けが施されていて、前に出てきた主人公がどこか脇役に潜んでいたとしても

それはその瞬間は気がつかない。

最後まで読んで「あ」と思った時、もう一度読み返す、というのは

小説を読むものにとって、至福の喜びだ。

この「赤と青とエスキース」。絵画を題材にしているところからまずおしゃれなのだけれど、

その繋げ方がこれまた大変、おしゃれ!!!

読み終えた時、絵画の旅と共に、一つの恋の始まりから終わりまでを見届けた満足感も味わえる。

私のすごく好きな連作短編の一つとなった。

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「月のたつ立つ林で」感想

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