Netflix独占配信の映画「パレード」がすごく良かった。
感想や登場人物について紹介したい。
Netflix映画「パレード」概要・あらすじ
タイトル | パレード |
監督 | 藤井道人 |
出演 | 長澤まさみ、坂口健太郎、 リリー・フランキーほか |
時間 | 2時間12分 |
音楽 | 野田洋次郎(RADWIMPS) |
テレビ局記者の美奈子は、ある時、目覚めたら誰も自分の声も存在にも気がつかない世界になっていた。
東日本大震災の後、混乱の中、シングルマザーとして一人で育てていた幼い子、良がどうなったのか。行方も安否もわからない
混沌とした状態が続く。
そこは死後の世界だった。
美奈子の存在に気がついたのは同じく死んでいるアキラ。アキラに連れられて行った場所には、
スナックのママ・かおりや、元映画監督・マイケル、元ヤクザ・勝利や元銀行員の田中がいた。
彼らは一体、何のために、どうしてここに集っているのか。
そして、1ヶ月に一度新月の夜に「見せたいもの」があると連れられて行った先には…。
Netflix映画「パレード」登場人物・キャスト
美奈子/長澤まさみ
テレビ局記者。波に飲み込まれ気がついたら、自分のことを誰も認識しなくなっていた。
離婚し、シングルマザーとして男の子・良を育てていた。
仕事も忙しく、良ときちんと向き合えずにいたことが心残り。
アキラ/坂口健太郎
美奈子を見つけた青年。物腰が柔らかく優しい青年。
いつも部屋に閉じこもってひたすら小説を書いている。ここで出会った人たちを書くのだという。
勝利/横浜流星
元ヤクザ。組の若頭だったが、抗争に巻き込まれて死んでしまう。
恋人を残してしまったことが気がかりで、この世界に留まっている。
マイケル/リリー・フランキー
自称元映画監督。とりかけの映画があるという。陽気な性格で、昔語りをするのが好き。
「あれを流行らせたのは俺だ〜」が口癖。
かおり/寺島しのぶ
元スナックママ。子どもたちを残してしまって逝ってしまったことが気がかりで、子どもが母親になるまで見守ると決めた。
田中/田中哲司
元銀行員。いつも新聞を読んでいる。
「そこ」を去ることを決めると、田中さんが呼ばれる。
ナナ/森七菜
女子高生。いじめを苦に自死した。
反抗的な態度で加わってきた。
Netflix独占配信!映画「パレード」感想
藤井道人さんの作品は「良い」とよく聞いていたが、なんとなく観る機会がなかった。
今回、ネットフリックスの予告で流れてきた映像がどこか懐かしく、儚げで美しく、
あまり前情報なく見始めた。
死後の物語であるそれはやはり、観るに耐えない部分もたくさんあった。
息子と死に別れてしまった美奈子の想い、しかもそれは東日本大震災の物語で
あまりにも苦しく、きっとたくさんこんな人たちがいるんだろう、子どもと離れがたいという気持ちを想像すると
涙が止まらず、これ以上観るのをやめようか、とも思った。
死後も怒り、苦しみ、心配し、まどい続ける彼ら。死後も亡くなってしまった愛しい人が苦しみ続けるのだと思うと、
それを想像するのは悲しかった。
けれど、やがて彼らは月に一度新月の日に「やり残したこと」を探して、みんなで歩く。
そう、「パレード」のように。
再会の瞬間を目にした美奈子は、少しずつその死後の世界を受け入れ始める。
そして、彼らは死後も世界にとどまり、ご飯を食べたり、お酒を飲んだり、笑ったりしている。
それぞれにやり残したことを探して、この世を歩いている。
そっと、「残された人々」を見守っている。
そう思ったら、すっと心が救われる瞬間があった。
死後、やりたいようにやっているかしら。
楽しく過ごしているかしら。
美奈子の息子・良が「ずっとお母さんはそこにいる」と感じたように、
残された人々が少しでも優しい気持ちで空を見上げることができればいい。
そんな作品になっていた。
そして、最後を野田洋次郎さんの優しい歌声が包み込んでくれる。
久しぶりにエンドロールを最後まで観た。