韓国ドラマ「夫婦の世界」概要・あらすじ
家庭サラン病院の副院長を務める、チ・ソヌは、夫と息子の三人で完璧な生活をしていた。
夫・テオは映画監督をしていて、自分を愛してくれる。そんな夫婦を顔をしかめながらも
幸せそうに眺める一人息子・ジュニョン。
何の不満もなく、何の不安もない。
ある日、夫から借りたマフラーに一本の髪の毛を見つけるまでは…。
Netflix配信「夫婦の世界」を見た感想/見どころ
ハン・ソヒちゃんが愛人役!見たい!ということで見始めた今作。
夫のマフラーについた派手な色合いの一本の髪の毛…
見る女全てが夫の浮気相手に見えてしまう、妻・ソヌ。
その浮気相手がハン・ソヒだったときの衝撃はいかほどだろうと思う。
私なら腰から砕けて二度と立ち上がれない。
けれど、キム・ヒエさん演じるチ・ソヌは、女医として評判もよく、
医師としてのプライドもあり、知性があり、強気な女性。
ただでは転ばない。
自分を騙し続けた夫を、いや、夫だけを自分の「完璧な」生活から排除するのだ、と
奮闘し始める。
全32話という長さにも関わらず”見られる”展開その理由
Netflixの配信では全32話と、とにかくその数字に慄く。
けれどその1話は30分程度と短い。
実質でいうと全16話であり、他のドラマとその話数は変わらない。
物語の展開としては離婚で、第一段階超えてからも長く続き、
え、まだあるの?という気持ちにならなくともない。
けれども、「夫婦とは何か?」を一つ一つエピソードを重ねていく物語展開となっており、
段階を重ねていく丁寧な作りとも言える。
ドロドロしているし、山場が何度もあり、何度も主人公の女性がピンチに陥って
心臓がもたない展開が続くのだが、ああ、これが韓国ドラマという展開に思わず見てしまう。
ありえない!登場人物たち・キャスト
チ・ソヌ/キム・ヒエ
家庭サラン病院の副院長であり、内科医師。知的で気の強い女性。
夫のことを愛し愛され、家庭を切り盛りし、完璧な人生を送っていると信じていた。
イ・テオ/パク・ヘジュン
妻の出資で制作会社を作り、映画の監督をしている。
演じるのは「ミセン」にて営業3課に途中からやってきた人。いい人のような裏切り者のような感じだった人。
今回演じるのはとんだクソ野郎(失礼)
ヨ・ダギョン/ハンソヒ
ヨ会長の一人娘であり、ヨガのインストラクターをしている。
演じるのは我らがハンソヒ嬢。ハンソヒが愛人役を演じたら白旗振るしかない。
ソン・ジェヒョク/キム・ヨンミン
テオの友人であり、会社の会計顧問もしている会計士。ソヌに憧れを抱いている。
演じるのは「愛の不時着」の「耳野郎」ことマンボク同志。
同時期にこんなクソ野郎(失礼)を演じていたとは…
コ・イェリム/パク・ソニョン
ジェヒョクの妻であり、ソヌの隣に住み、「オンニ」と言って慕っている。
家族ぐるみの仲。
ソル・ミョンスク/チェ・グッキ
ソヌと同じ病院で産婦人科医として働く。独身。ソヌの友人。
ミン・ヒョンソ/シム・ウヌ
ソヌの患者として出会う。ひょんなことからソヌに助けられ、また、ソヌの手助けを申し出る。
パク・インギュ/イ・ハクジュ
ヒョンソの恋人であり、暴力を振るい、金銭面でもヒョンソに依存している。
ありえない展開なのに、作り込まれたキャラクターたちについつい引き込まれる
ソヌの夫・テオは「若くてイケメン」と出てくるたびにもてはやされるが、
少なくとも私が見ている限りはそうは思わない。
ソヌとダギョン(ハンソヒ)が取り合うことが不思議で仕方ない。
二人とものしつけて相手にやれよ、と思う。それぐらいに内面がイケていない。
浮気したことを謝らないし、すぐに人のせいにするし、稼ぎはないし、妻の稼ぎをあてにして
自分からプレゼントを贈ったこともない。(なさそう)
本当にとんだクソ野郎である。(ここで言う「クソ野郎」はあくまでもドラマ内のキャラクターについてである。)
ソヌもダギョンも一体どこがそんなにこの人がいいの?と言う疑問はさておき、
二人の女性は本当に心の底から彼を愛しているのである。
おそらく、テオは同級生の中でも「愛されキャラクター」なのだろう。
同級生が集まっては「お前は玉の輿に乗っていいよな」なんて言われて、「はははー」と笑っている。
「あんなにしっかりした奥さんがいていいよなー」なんて揶揄われながら、それを許しているキャラクター。
ちょっと出来なくて、それを自分より下に見ながら、男性陣の中で自分の優越感に浸る相手。キャラクター。
それゆえに女性からも可愛がられるようなキャラクターなのかもしれない。
自由に、縛られず、自分の思いを率直に話す。
喜ぶ時は喜び、悲しむ時は悲しむ。天真爛漫なそんなキャラクター。
ソヌは高校生の時に両親を亡くし、苦労して医大生になった。
知的で誰にも頼らずに、自分で道を切り開いてきた賢い女性。
それだからこそ、テオの頼りなさげなところも含めて愛してしまったのかもしれない。
そもそも、人への愛情を語るのに、説明というのはナンセンスなものだが。
でも、説明を重ねなければ理解できないほどに、何度も何度も彼らは互いを傷つけ合うのだ。
普通の精神状態ならば、理解できない。
どうして子どもを巻き込んでまで、互いを傷つけあい罵り合い、憎しみ合いこだわり続けるのか。
愛情の反対は憎しみではなく、無関心である、とはよく言ったものである。
互いに無視すれば済むのに、ソヌとテオは売り言葉に買い言葉をし続ける。
そんなに感情的にならんでも、と見ているこっちも思うし、
そばで見ている息子(ジュニョン)は尚更思うに違いない。
そりゃあ精神的に病むだろうよ、と思う。
ダギョンという女性も、初めこそ若く、派手な髪色でなんて小生意気な女だろう、という印象を受ける。
が、結婚して娘が産まれるとその家庭を守るために取る行動の一つは、賢い女性のそれだと言える。
自分が選んだ家庭、自分が選んだ男性を正当化するためにその一つ一つの行動はあるのだ、と理解できる。
ジュニョンに対する行動、言動についても浅はかとは言うまい。
だからこそ、テオの正体、彼の異常さを理解した後の行動は冷静そのもの。
それが普通の、冷静な人間のとる行動だと言える。
だからこそ、テオとソヌの取る行動、互いへの執着心は異常そのものなのだ。
理解できないが、でも、世の中にそういった事件が後をたたないのも事実である。
男女の感情のもつれは、他人の知る由もないことである。
周りの人たちもおかしい、けれど理由のある行動
ソヌは周囲の人間にも欺かれていたと知り、周りを恨む。
ソヌの友人・ミョンスクもテオの浮気を知っていて隠していたし、
テオの友人・ジェヒョク夫婦はダギョンとテオと一緒に旅行へ行っていた。
ありえない、の一言である。
テオの行動は全くもってありえないが、結局皆自分が一番可愛いのだなと私は理解する。
その行動を認めるわけでもなんでもないが、
ミョンスクはテオと一緒になって、ソヌを副院長の座から降ろそうとするが、
彼女なりの野心であり、独身女性の生きづらさも漏らしている。
また、彼らが生きる、コソン市という地方の町もまた、物語の設定に欠かせない要素となっている。
ソウルの都会とは違い、不倫、離婚、再婚といったスキャンダルが彼らを生きにくく、行動を制限し、
感情をも動かす。
ダギョンは略奪婚をした子、となり、その汚名を注ぐために母親たちが奮闘する。
ソヌは不倫された上に、離婚し、夫を追い出した人、もしくは夫を奪われた人という汚名がどこへ行ってもついてくる。
女の生きづらさを象徴しているとも言える。
「夫婦の世界」感想まとめ
人の心情や、行動に説明は不要であるし、ナンセンスだけれど、
ありえない行動をする彼らに細かい設定や演技によるその人のキャラづけがされていくと、
そのありえない行動の数々を「ありえない!」「もういいって!」と思いながらも
観てしまう理由を自分に与えている。
でも、結局のところ見終わって思った感想は一つ。
浮気男は許すな。
この一言に尽きる。
浮気男は許すな。
テオにしろ、ジェヒョクにしろ…
浮気男は許すな。これだけを肝に銘じておきたい。
「夫婦の世界」おすすめ商品
テオがソヌに贈った結婚指輪はティファニー。
ソヌは美しい女性で裕福なはずなのに、あまり飾り気がない。
彼女が常にしているアクセサリーといえばテオからもらった指輪。
夫からは贈り物をされていない様子。
そんな彼女がダギョンがテオからカバンをもらっていると知った時は悔しかったに違いない。
何が悔しいって、彼女は働いて夫と子どもを養っているだけでなく、家事も全部完璧にこなしている。
疲弊した気分で帰ってきて、テーブルに残されたままの食器類を見たときは疲れも倍増だろう。