Netflixで配信され話題を呼んだドラマ「地獄が呼んでいる」のシーズン2について。
ユ・アインに代わり、キムソンチョルが出演。
キャストや登場人物まとめ、感想を綴ります!
Netflix「地獄が呼んでいる」シーズン2 あらすじ 概要 全何話?
世界中で、突然、死の告知を受け、その予告通りに人々の命が突如奪われるという
現象が起きた。
それは、その人の隠された罪によるものだ、神からの罰だ、と訴える韓国の「新真理会」。
圧倒的な支持を得ていたが、生まれたばかりの赤ん坊が告知を受けたことにより
それは真実ではないことが知れ渡ったシーズン1。
シーズン1の最後では告知を受け、公衆の面前で命を奪われたパクジョンジャ(キムシンロク)が
蘇った。
タイトル | 地獄が呼んでいる シーズン2 |
配信 | Netflix |
監督 | ヨン・サンホ |
話数 | |
キャスト | キム・ソンチョル、キムヒョンジュ、キムシンロク、 ムンソリほか |
韓国ドラマ「地獄が呼んでいる」シーズン2 相関図
Netflix「地獄が呼んでいる」シーズン2 キャスト&登場人物紹介
以下、ネタバレにご注意ください。
ミンヘジン/キムヒョンジュ
元弁護士。地獄行きを宣告されたパクジョンジャが公開処刑を受ける際に、
立ち会った。「告知を受けた人は『罪人』」とする「新真理会」の主張に反対する
秘密組織「ソド」のリーダー。
【キムヒョンジュそのほか出演作品】「地獄が呼んでいる」「車輪」「ソンサンー弔いの丘」ほか
チョン・ジンス/キムソンチョル
新興宗教「新真理会」の初代議長。
各地で起こり始めた「地獄行き」の告知を「その人の罪のせいだ」と主張する。
ところが自身は何年も前に「地獄行き」を告知されその事実を隠そうとしていた。
【キムソンチョルその他出演作品】「ブラームスは好きですか」「刑務所のルールブック」「SWEET HOME」「その年、私たちは」ほか
ユアインの薬物問題を受けて、キムソンチョル君が代役として演じることになったチョンジンス。
個人的な感想としてはユアインのチョンジンスはちょっと病的なイメージがあって、
キムソンチョルくんのチョンジンスはどこか「狂人」的。
地獄のビフォーアフターとも言える空気感。
前作が話題となった作品だけにプレッシャーもあったと思うが、
チョンジンスのカリスマ性と狂人めいた雰囲気、お見事でした。
パク・ジョンジャ/キムシンロク
シーズン1で地獄行きの告知を受ける。告知の映像が動画で撮影されていたため、
新真理会から、試演(処刑を受けること)の様子を中継したいと申し出られてそれを受ける。
シングルマザーでお金をもらい、それをミジン(キムヒョンジュ)の弁護士事務所に託して
公衆の面前で試演を受けることを決意。
全世界に新真理会の主張を知らしめる存在となった
ところがシーズン1のラストで復活する。
【キムシンロクその他出演作品】「怪物」「地獄が呼んでいる」「財閥家の末息子」「ムービング」「誘拐の日」「戦と乱」ほか
キム・ジョンチョル/イドンヒ
新真理会の二代目議長。チョンジンスの秘密を守る代わりに新真理会を
引き継ぐ。何の信念もなく私利私欲のために議長をしている。
チョン・ギョンフン/ヤンイクジュン
刑事。超常現象が起き始めたとき(シーズン1)で新真理会議長を怪しんで
調べようとすると、娘がそこに加担していることを知る。
娘の犯した罪を隠すため、チョンジンスの真実を隠したまま姿を消す。
娘が余命いくばくもない。
チョン・セヒョン/イム・ソンジェ
チョンジンスの復活に立ち会う。
実はやじりの「お日様組の先生」の夫で、チョンジンスのせいで人生が崩れた、と
思っている。
【イムソンジェその他出演作品】「ウヨンウ弁護士は天才肌」ほか
イ・スギョン/ムンソリ
政府主席秘書官。
矢じりが暴走し、収拾がつかない世の中になってしまったことから、
新真理会に近づき、パクジョンジャ復活を利用して勢力を二分させ事態を政府の
統治下に置こうとする。
計算が早く、どんなことが起こってもどう利用するか、を瞬時に考える。
【ムンソリその他出演作品】「クイーンメーカー」「ジョンニョン」ほか
お日様組の先生(オ・ジウォン)/ムン・グニョン
やじりのメンバーで奇怪な格好をして、人々の先頭に立ち、
実演(告知を受けた人が地獄へ連れられていく)の瞬間に、罪を告白し、
実演に加わることを主張する。
風車/チョドンイン
やじりのリーダー。配信を行う。
チョン・ジヒョン/イ・レ
ギョンフンの娘。母親を幼い頃に亡くし、犯人が軽い罰で出てきたことに恨みをもつ。
チョンジンスの主張に心酔し、共に罪を犯す。
病に伏しながら、チョンジンスの言葉を真に理解しているのは自分だけだと
ネットの世界で主張し続けている。
【イ・レその他出演作品】「無人島のディーバー」ほか
ペ・ジェヒョン/オ・ウンソ
シーズン1にて新生児にも関わらず告知を受け、両親が身代わりとなり、唯一生き残った。
今は、ソドの管理下に置かれている。
ソドのメンバーたちに監視、研究されている。
【オウンソその他出演作品】「となりのミスターパーフェクト」ほか
キム・ソンジプ/ホン・ウィジュン
ソドの支部長。ヘジンをソドの「象徴」として敬っているようにも見えるが…。
「地獄が呼んでいる」シーズン2 感想 〜私なりの解釈 〜地獄の謎は?
「真理なんてものは存在しない」
シーズン1で「告知」を受ける人は「罪を犯した人だ」という
構図を作り上げた新真理会の議長チョン・ジンス。それが本当ではない、ということを
彼自身がよく知っていた。
チョン・ジンスは孤児で昔母親に捨てられたことから、
「いい子にしていれば母親が迎えにきてくれる」と信じて
鉛筆ひとつ盗むことなく清く正しく生きてきたはずだった。
そんな自分がなぜ、地獄行きを宣告されなければならないのか…
20年という余命の中で、「地獄行きを宣告されるかもしれない恐怖」を
皆に広め、新真理会を作り上げた。
彼がいなくなった後、新真理会は「宣告」を受けたものは「罪」があるという
前提の元、人々の崇拝を集めてきた。
しかし、新生児が宣告を受けたことでその「真理」は崩壊する。
崩壊した真理の中で、「矢じり」という過激なメンバーが目立ち始める。
矢じりは両親たちの罪を新生児が受け、それを両親たちが庇い、彼らの罪を浄化させたのだ、と
いう思想のもと、告知を受けた人の代わりに自らの罪を告白し、浄化させよう!という
さらに過激な主張を繰り返す。
そこに、地獄へ行ったはずのパク・ジョンジャが蘇る。
新真理会は4年もの間、パクジョンジャの復活をひた隠しにしてきた。
なぜなら、そこに何も「真理」を見出せなかったから。
超常現象に意味はない。人に起こる「不幸」に意味なんてない。
ドラマの中で起こる、言い表しようのない超常現象。
不可解な出来事、ショッキングな出来事…これまでの映画やドラマで
起きる超常現象はこれまでいつも「解明」されてきた。
これこれこういうことが原因で起き、これからはこうすれば「大丈夫」と
ラストには安心させてくれる。
ところが、「地獄が呼んでいる」でこの超常現象が解明されることはついぞ、ない。
たった一人生き残った新生児には特別な力があって、人々に希望をもたらしてくれる
わけでもない。
地獄から甦ったパクジョンジャが地獄とはどんなものだったかを教えてくれるわけでもない。
地獄から甦ったチョンジンスが全ての悩みを解決してくれる教義を、持ち帰ってくるわけでもない。
ただ一人、ミン・ヘジンは、個人の尊厳を守るべく戦い続ける。
何か教義を持ち出して声高に主張するわけでもなく。
密やかに、人に罪があろうとなかろうと、それが暴かれてはならない、
と実演をひっそりと遂行させる協力をしたり、
離れ離れになった親子を会わせようとしたり、
生き残った子どもに人間らしい暮らしをさせようとする。
「世界の終わり」は絶望か、希望か
シーズン2のラストで、「地獄」が解明されるのかと思ったら、
解明されずに、人々は次から次へと「告知」を受けるラストで終わる。
それを避ける術は見つからず、何を信じればいいのかもわからない。
でも、このドラマで、粛々と戦うミンヘジンを見て、
人に起こる不幸に意味なんて見出す必要はない、
超常現象に意味なんて見出す必要はない、と思った。
人が自分に起きた不幸に意味を与え、乗り越える姿は素晴らしいが、
隣の人に起きた理屈では説明できないような不幸に意味を与えることは
無意味なのだ、と。
過激になっていくカルト集団や矢じりを見ていて思った。
罪とか罰とか、そこに囚われて
その瞬間を苦しむ人をさらに追い込むのは違う。
政府の秘書官は、現象を逆手に取ろうとして怖いこと言うしやるんだが、
言っていることは真っ当なのだ。
「真理なんてもの存在するわけないじゃない」と一笑にふす。
この作品は、超常現象そのものを扱っているのではなく、
そこに置かれた人々の心理を描いたものなのだ。