「ザ・グローリー〜輝かしき復讐」完結編
シーズン1として8話までを2022年の年末に。
てっきり8話で完結だと思い込み、勢い込んでみたら8話で続きは2023年3月に
配信だっていうから肩透かしを食らった気分だったが、
8話ずつというボリュームは返って良かったかもしれない。
16話までのドラマを2話ずつにしろ、一気に見るにしろ、
いつも途中でダレてしまう私。
それが8話ずつだと、「ありゃ、もう終わってしまう」という気持ちだった。
16話の全体的な構成ももちろん良かったが、この8話ずつというのも良かったのかもしれない。
完璧な復讐に拍手
例えば、復讐としてよくあるのはやっぱり命を奪う、だとか
名誉を奪う、と言ったもの。
ドンウンの復讐は18年という長い歳月をかけて、綿密に練り上げられたもの、
シーズン2ではヨンジンからの反撃も食うが、
一つずつ確実に計画をこなしていくドンウンに拍手を送りたい。
その復讐は、一つ一つ抜け目がなく、少しずつヨンジンの「持つもの」を奪っていく。
ヨンジンの周りの人間も一人また一人と確実に失脚もしくは離れさせていくやり方、そして
自分自身が手を下すことなく
自らで瓦解していく彼らを見届けるドンウン。
素晴らしい。
美しさ・華やかさを封印したソン・ヘギョの不気味ですらある演技に拍手
化粧っけも少なく、不気味に笑い、ヨンジンたちに対峙していくドンウンを演じるソン・ヘギョ。
彼女の不幸の始まりは、自分のことしか頭にないアルコール依存症の母親の元に生まれたこと。
その母親と向き合い、そして自分で乗り越えていく姿は力強く、
美しさを封印していても、カッコよくすらある。
そして、復讐をずっとひとりだけで孤独に計画を練ってきた彼女の
足跡を振り返れば、そこにはたくさんの人との出会いと
支えがあったことに気が付く彼女。
そんな語りは、また心を温めてくれる。
復讐相手/ヨンジンたち一人一人に見合った復讐
ヨンジンが最大のターゲットなのだろうか、と思うような
ヨンジンへの手紙の読み上げが随所に散りばめられたストーリー展開。
ドンウンのヨンジンへの手紙での語りかけによって、ドンウンのヨンジンへの
執着がより鮮明になる。
しかしラストまで走ってみれば、それぞれ全員がそれぞれに見合った復讐がなされている。
命を奪われたもの、名誉を奪われたもの、死ぬまで苦しめられるもの…
ヨンジン、ジェジュン、サラ、へジョン、ミョンオ…全員が全員どこからどこまで
最低なんだと言いたくなる人間である。
清々しいほどに最低過ぎて、ドンウンがどんな復讐をしようとも
全く同情の余地なし、で爽快感すら漂う。
彼らのその「最低」ぶりの演技もむしろ拍手をおくりたいぐらい。
ドンウンの周りの人たちの魅力
ヨム・ヘランさん演じるカン・ヒョンナムさん。
このアジュマの素晴らしさはシーズン1からだけれども、
もうヨム・ヘランさんの演技は鉄板。泣ける。
そして、ヨンジンの夫・ドヨン。ヨンジンを選んだ時点で
「この男、終わりだな」「趣味が最悪」と思っていたのだけれど、よくできた人間だった。
ドンウン自身が述べる通り、イェソルは何の罪もなく、ドンウンの復讐により不幸を被ってしまったわけだが、
彼女のそばにドヨンという父親がいて本当に良かった。
ドヨンという男は、冷徹無慈悲で合理主義だが、イェソルへの愛情は本物であり、
賞賛に値する。
ドヨンを演じたチョン・ソンイルさん。「私たちのブルース」にて、これまた合理的な冷たい夫を演じていた彼。
ドヨンによって私の中で株・上昇である。
そして、ドンウン最大の癒し、チュ・ヨジョン。
彼の母親がなぜに最後、あのタイミングでドンウンの前に現れることができたのか
甚だ疑問だが、イ・ドヒョン、良かった〜。
彼とヨムヘランさんには、この光のないドラマの中でいつも癒していただいた。
まとめ〜シーズン3はあるのかしら
ヨジョンの抱えるものについては、ドンウンに負けず劣らず悲しく苦しいものがある。
彼には理解のある母親がいて、だからこそあんなに癒し満点の存在になれたのだと思うが、
しかし、あの殺人鬼は許し難い。
あの殺人鬼演じるイ・ムセンさんの演技力よ…あの狂気に満ちた顔の迫力といったら。
名誉もなく、刑務所にいる時点でそれ以上何を奪ったらいいのか、何が復讐になるのか、といった状態の
人間を相手に、ドンウンとヨジョンが一体、どんな復讐をするのか。
若干、気になる。
「これ、シーズン3あるんじゃない?」という気になる終わり方ではあった。
アジュマも呼び出されていたし…彼女がどんなふうに新な復讐に手を貸すのか、
それも気になるんじゃないのか。
やっぱりシーズン3はあるのだろうか…あってもいいと思いますが、どうでしょう。制作者さま!
「ザ・グローリー」関連おすすめ商品
美しさ・華やかさを封印していたソン・ヘギョだけれど、
やっぱり色白の肌は美しい。
ソン・ヘギョといえばソルファス。
ソン・ヘギョが演じるドンウンは暗く地味なファッションが多いのと対照的に、
ヨンジンたちのファッションの華やかなこと。
物語で重要な役割を果たした緑のパンプスも、ビジューが散りばめられていて美しい。
曰くつき過ぎて履きたくない気持ちはあるが…
十分に魅惑的なものを選んでいるところが、ドラマ演出の小憎いところだな、と思う。